Event Report
今月のテーマは「東野圭吾を語る会」
| 開催日 | 2026年10月3日(土) 15:00〜17:00 |
| 場所 | 義侠屋 店内 |
| テーマ | 東野圭吾を語る会 |
今回のテーマは「東野圭吾を語る会」。今年7月に訃報が届いたことをきっかけに、このテーマにしました。本当にたくさんの作品を残されていたこと、そしてその凄さをあらためて感じる会になりました。
「もう一度読み返したい」「これを機に初めて読んでみた」という声があり、『白夜行』『手紙』『流星の絆』といった代表作から、ファンタジーの要素もある『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、出版業界の内幕を描いたユーモア短編集『歪笑小説』まで、同じ作家の作品とは思えないほど幅広い顔ぶれが並びました。選んだ理由も、心に残った場面もそれぞれです。
偉大な作家が亡くなられたことは残念でなりませんが、これだけの作品が残されている以上、これからも長く読み継がれ、楽しまれていくのだろうと思います。
それでは、当日紹介された本をご紹介します!
紹介された本
Book 1 ファンタジー
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
東野圭吾 角川文庫 初版 2014年11月22日

あらすじ
「悩み相談の手紙に店主が返事をくれる」と評判だったナミヤ雑貨店。廃屋となったその店に逃げ込んだ三人の泥棒のもとに、なぜか過去から相談の手紙が届く。時を超えた文通が、やがて思いがけないつながりを結んでいく。
紹介コメント
ファンタジーで、タイムリープの要素もある作品です。雑貨店といっても、悩みを相談しに行ける場所として描かれています。いろいろな話が並行して進み、最後にひとつにまとまっていくのが面白いところです。ふんわりとした読み心地なのに、考えさせられる一冊でした。
Book 2 ミステリー
『白鳥とコウモリ(上)(下)』
東野圭吾 幻冬舎文庫 初版 2024年04月03日

あらすじ
弁護士・白石健介の遺体が発見され、ある男が殺害を自供する。被害者の娘と加害者の息子は、それぞれの立場から真相を知ろうと動き出し、やがて33年前の事件へとたどり着く。加害者家族と被害者家族、双方の心情を描いた長編ミステリー。
紹介コメント
どんでん返しが面白い作品です。タイトルもよくできていると思います。参加者の中には、映画を観に行ったという方もいました。登場人物が少しずつ不幸になっていくところは、読んでいて少しつらくもありました。
Book 3 小説
『手紙』
東野圭吾 文春文庫 初版 2006年10月10日

あらすじ
弟の学費のために強盗殺人を犯し、服役する兄・剛志。弟の直貴のもとには毎月、獄中の兄から手紙が届く。就職、恋愛、音楽——人生の節目のたびに「強盗殺人犯の弟」という事実が立ちはだかる。加害者家族が背負うものを問いかける長編。
紹介コメント
小説しか読まないのですが、その中でも東野圭吾さんが一番好きです。感動系、ギャグ系、ミステリー系と幅が広く、亡くなったと聞いたときは衝撃でした。『手紙』は『流星の絆』と並んで、東野圭吾といえばこの2冊という作品です。親を亡くした男兄弟のうち、弟のために兄が罪を犯し、その後の苦労が描かれます。何かを肯定するわけでも、誰が正しいと決めるわけでもありません。兄が刑務所に入ってから送り続ける手紙が、少しずつ変わっていくところも読みどころです。すごく泣けました。
Book 4 ミステリー
『流星の絆』
東野圭吾 講談社文庫 初版 2011年04月15日

あらすじ
流星群を見るため夜中に家を抜け出した三兄妹は、帰宅して両親が殺されているのを知る。時効が迫るなか、三人は詐欺を重ねながら犯人を追い、やがて憎むべき相手の息子へと近づいていく。
紹介コメント
子どもたちが出かけている間に両親が殺される、という場面から始まります。三兄妹が夜中、流星群の一番きれいに見える日に、両親に内緒で出かけた、その間の出来事でした。三人は生きていく中で罪を犯すこともあり、最後には大きなどんでん返しが待っています。お兄ちゃんが弟を思う気持ちが強く、タイトルの「絆」は兄弟の絆のことだと思います。伏線の回収のうまさが、とにかくすごい作品です。
Book 5 ミステリー
『むかし僕が死んだ家』
東野圭吾 講談社文庫 初版 1997年05月14日

あらすじ
七年ぶりに再会した元恋人・沙也加に頼まれ、幼い頃の記憶がないという彼女と山あいの家を訪ねる。亡き父の形見の鍵で開けたその家は、二十三年前で時が止まったままだった。手がかりをたどるうち、封印された過去が明らかになっていく。
紹介コメント
東野圭吾さんの本を読むのは初めてで、これまでは映画を観たことがあるくらいでした。読書会のために、他の人が読んでいなさそうな本を選んで読みました。32年前の作品で、主人公は二十代の男性。真実を知ることが必ずしも幸せとは限らない、というテーマが印象に残りました。状況や情景の描写が的確で、とても読みやすい作品です。
Book 6 ミステリー
『危険なビーナス』
東野圭吾 講談社文庫 初版 2019年08月09日

あらすじ
獣医師の手島伯朗のもとに、弟の妻だという美しい女性・楓が現れ、失踪した夫を一緒に探してほしいと頼む。巨額の遺産をめぐる一族、天才画家が遺した謎の絵——ミステリーに恋愛の要素を織り交ぜた長編。
紹介コメント
10年ほど前からはまって読んでいます。一番好きなのは『手紙』です。この作品はミステリーですが、主人公の獣医師を中心に恋愛の要素が入っていて、東野さんにしては珍しい一冊だと思います。
Book 7 コメディ
『歪笑小説』
東野圭吾 集英社文庫 初版 2012年01月20日

あらすじ
出版社「灸英社」を舞台に、編集者と作家たちの攻防をブラックな笑いで描いた十二編の連作短編集。新人賞の裏側、文学賞の創設、担当作家との駆け引きなど、出版業界の内幕がユーモラスに綴られる。
紹介コメント
普段は小説を読まないのですが、今回の会に合わせて読んでみた一冊です。ミステリーの多い東野圭吾さんの作品の中では、軽く読める短編集でした。さらさらと読めるのに、先が気になります。出版社の裏側は本当にこうなのだろうか、と想像しながら読むのが面白かったです。
Book 8 ミステリー
『白夜行』
東野圭吾 集英社文庫 初版 2002年05月17日

あらすじ
一九七三年、大阪の廃ビルで質屋の男が殺害される。事件は未解決のまま、被害者の息子・桐原亮司と、容疑者とされた女性の娘・西本雪穂はそれぞれの人生を歩んでいくが、二人の周囲では不可解な出来事が続いていく。約二十年を描く長編ミステリー。
紹介コメント
800ページほどある長編で、ドラマや映画にもなっています。殺人事件から始まる、ダークな人物たちの人生を描いたミステリーです。まったく違う人生を歩む二人のうち、雪穂の成り上がっていく物語でもあります。最後まで暗いトーンで、登場人物の考え方には「いやだな」と思う場面もありました。これも絆の話だと思います。二人が主人公でありながら、二人が一緒にいる場面が一度も描かれないところがすごいです。
Biblio Sugar / 義侠屋
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